ましも先生の健康note

そもそも免疫力って何なのさ?っていうお話。

どうも。僕です。実はこう見えても色々なところで講演というかお話しをさせていただく機会をいただくことが多いんです。はい。ええ。だから僕のことです。身近な人たちにはなかなか信じてもらえないという事実。

今年も春に名古屋でお話しさせていただく予定で。2月ごろからそろそろ下準備をと取り掛かり始めたのですが。。中国武漢での感染拡大。横浜でのクルーズ船での感染からあれよあれよという間に日本にもコロナウイルスの影響が爆発的に広がりました。

名古屋でお話しさせていただくに当たって一緒に講師を務めさせていただく先生方は自分が大好きな方々の予定でしたのでもうワクワクで小刻みに震えていました。

行きはみんな同じ新幹線に乗って。講演が終わった夜はホテルと居酒屋で一杯。帰りの新幹線でも一杯やりながら。。と。そんなことがとっても楽しみだっだんですがこのコロナ禍ではそんなことも言っておられず。

もう!心のディスタンスが大きすぎるっ!!

とにかく昔とまったく同じようにとはいかないまでも。1日も早くコロナと共存できる時代に入ってほしいと願うばかりなのです。

ではこのコロナとの共存でもっとも大切なことって何でしょうか?

マスク。

シールド。

密を避ける。

消毒。

こまめなうがい手洗い。

このようなウイルスの除去や忌避を習慣として根付いていかせること。

ワクチンの開発も国民全員が首を長くして待っています。

でも一番大切なものって何なんでしょう??と聞くと。

ほとんどの方が「コロナに負けない身体」と答えるのではないでしょうか?

結局のところ人間が生まれ持つ「免疫力」なんですね。

じゃあこの免疫力って何なのさ?というお話しを今日はたっぷり2時間かけて(当社比200%)していこうと思います。

そもそも免疫と聞いて何を思い浮かぶでしょうか?

限りなく文系よりの理系の自分には。

B細胞だ!?

マクロファージだ!?

インターロイキンだ!?

と難解で到底理解できないもの。

学び始めたら数分で眠りに落ちる。というものでしたが。

一言で言うと身体を守るバリアの役割なんです。

「病原菌や毒素や異物などから身体を守る」能力のことです。

わかりやすい例を挙げると

すぐに風邪をひく人→免疫力が低い。

全然風邪をひかない人→免疫力が高い。

風邪を引き起こすウイルスに自身の免疫機能で対処できるか?どうかなのです。

「風邪は疲れの現れ」

という言葉がこの事をうまく表しています。

が。しかしっ!!

花粉症やぜん息などのアレルギー性疾患。

またリウマチなどの自己免疫疾患など。

これらは「免疫機能が亢進」することによって起こるものです。

さらに言うとコロナウイルス感染の重症化に見られるサイトカインストーム。

これらは「免疫機能の暴走」によるものとされています。

ここで免疫力が「高い」というのと「亢進」「暴走」する状態が混同されやすいものですが実は違います。

この状況を説明するにはやはり「免疫」というものを少しだけ深く掘り下げていく必要があります。

先ほど書かせていただきましたが自分自身「免疫」に対して苦手意識が強かったので「食わず嫌い」「読まず嫌い」でそれこそ免疫ができていない状態でした。

この状態に優しく寄り添ってくれたのが新潟大学名誉教授・安保徹先生です。初めてご講演をいただいた時に朴訥とした東北なまりで難しい免疫を分かりやすく解説していただいて。免疫って面白い!と苦手意識を取り去ってくれた大切な先生です。

この安保先生の理論もお借りして今回は「そもそも免疫力って何なのさ!」ということで書いていきたいと思います。

冒頭にも書かせていただきましたが「免疫」とは「人間が外敵から身体を守るために備わっている機能」のことです。

そしてそのシステムは「自然免疫」「獲得免疫」の2つに分けられます。

①自然免疫

生まれつき持っている免疫システムで比較的大きな細菌などの外敵を殺菌します。

ここでは「マクロファージ」というパトロール細胞と「顆粒球」という白血球の一種が活躍します。

皮膚にできた傷から細菌が侵入→マクロファージが発見し司令→顆粒球が集まってきて細菌を貪食・相討ち→顆粒球や細菌の死骸が黄色い膿となって出る。

外から侵入した細菌はこんな流れでやっつけられます。

また体内の異常には白血球の中でもリンパ球の一種であるNK細胞が活躍します。

ところでNK細胞って何なの?

はい。「ナチュラル(N)キラー(K)細胞」のことなんです。

まさかのDAI語かよっ!

と突っ込んでみてから説明してみます。NK細胞はリンパ球の中で最も大きく「大型顆粒リンパ球」の異名も持ちます。そしてその働きはガン細胞やウイルスなどに感染した細胞に「細胞殺傷たんぱく質」を振りかけて排除する。つまり体内で育った異常な細胞を「ふりかけ」を武器に排除するわけです。

勝手に名付けると「ナチュラルキラーふりかけ」

そしてそのビジュアルはマトリックスのエージェントスミスに他なりませんね。

画像1

これが身体中をふりかけを持って駆け巡っているイメージです。

もうNK細胞最強。NK細胞無双状態です。

ガン細胞は実に1日5000個もできているという説もあります。これが増殖して大きくなるかどうか?はマクロファージとNK細胞の働きによりますね。

マトリックスでエージェントスミスに捕われたモーフィアス。拷問されながら「人間は自然の資源を使い尽くすまで増殖する。これと同じような有機体がもう1種類存在する。ウイルスだよ。」と人間をウイルスと同じと言われる台詞からも免疫細胞=エージェント。ウイルスなどの外敵=人間。という構図が見えてきますね。

え?自分だけでしょうか?

例えが分かりにくい?

でもまだまだめげずに続けます。

②獲得免疫

人間に備わっているもう1つの免疫システムで、その名の通り生まれてから病原体と接していくことで「獲得」していくのが特徴です。これが非常に複雑かつ精巧に作り上げられたシステムで非常によくできています。

一度侵入した病原体の特異性を記憶しておいて、二度目に侵入した場合にすぐに攻撃することができるように備えておく。同じ病気に二度かからないようにするためのシステムなのです。

ワクチン接種などがこの獲得免疫をうまく利用したものですね。

この免疫システムの内容は抗原抗体反応を利用しています。

*外敵(細菌・ウイルス)の1回目の侵入の時に行われる反応

マクロファージが外敵を貪食してその情報を提示(抗原提示)→リンパ球であるB細胞が抗体を放出→敵を記憶して休眠。

*2回目以降に侵入してきた時に行われる反応

血液中の抗体やT細胞が感知→すぐにB細胞が抗体を増産→感染前に排除され発症を防ぐ。

すごくないですか?このシステム。

初めてマトリックスに侵入したネオは顔を覚えられていないため排除されるまで時間がかかります。

しかし一度顔を覚えられたら入ってきた瞬間にエージェントスミスが駆けつける!

まさに外敵を速やかに完璧に排除するためのシステムです。

ただし。どんなシステムにも穴はありまして。

それがアレルギー反応自己免疫疾患などの免疫の亢進(働きすぎ)による症状です。

例えば花粉症はスギ花粉が初めて体内に侵入した時。正確に言うとスギ花粉に含まれる「タンパク質」が侵入した際にマクロファージに貪食され抗原提示→B細胞により抗体を放出される。

それからスギ花粉を浴びるたびに抗原抗体反応によるくしゃみ・鼻水・目の痒みなどの炎症性疾患が起こります。

もうこの時の抗体の出方なんてマトリックスリローデットの倒しても倒しても湧いて出てくるスミス的な感じなんでしょうね。そりゃ目も真っ赤になるし鼻炎もひどくなるわ。

この免疫が働きすぎる背景には腸管免疫が関わっています。

食事で摂取したタンパク質は咀嚼と消化酵素の働きによりアミノ酸にまで分解して小腸から吸収されます。

ここで食事中に水分を摂取する。よく噛まない。唾液不足などの生活習慣の乱れがあるとタンパク質は未消化のまま腸管から吸収されます。

未消化のタンパク質→異種タンパク=抗原(アレルゲン)

つまり外敵として認識されてしまい腸管免疫が機能亢進(働きすぎ)の状態になってしまいます。

アレルギーの原因に挙げられるリーキーガット症候群もこの消化不良によるものです。

ここで中医学的な面で考えてみてもアレルギー性鼻炎は肺ー鼻ー大腸の弱りに当たりますが、実はその肺の親とも言うべき「脾=胃腸機能」が弱っていることで起こっている場合がよくあるのです。

以上のことから考えると「免疫力が高い」状態は風邪もひきづらい。アレルギーも起こりづらい→免疫システムが怠けすぎず働きすぎない状態を維持できている。ということにつながります。

身体のパトロール隊であるマクロファージをはじめとした免疫システムを正常に稼働させていくにあたって大切なのが脾=胃腸の働きなのです。

そして隅々までこの免疫システムが行き届くように。隅々まで血巡りを良くしておくことも合わせて必要になってきます。

このコロナ禍はいつまで続くか出口の見えないトンネルのようなものですが。少しでも身体の調子を整えて自分自身の免疫システムを整えておきましょう!

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