さあ!夏休み!海の日・スポーツの日と夏の日差し真っ盛り!オリンピックムードで大騒ぎ!四連休で海だ!リゾートだーっっ!!
というつもりだったのに。この令和2年といったら。どうでしょう。
コロナ禍でみんなで大騒ぎなんてできっこない!
そんな夏は夢に終わった。
そもそも梅雨が全然明けない〜っ!!
逆の意味で忘れられない夏になりますね。うん。来年には笑って振り返ろう。
このように世間は大変な状況ではありますが、季節は巡っていきますね。もうここまでくると気持ちは穏やかに諦観して粛々と店頭に立っております。
昨日も「夏バテデ。。何カアリマセンカ?」と来られたネパール人のお客様がご来店されて。あぁ。もうそんな季節かと日本の四季のありがたさとしみじみ感じたわけです。そのネパール人のお客様との会話の中で。
「ネパールは暑いでしょうから。暑さに強いのではないのでしょうか?」
「イヤ。ネパールモ日本ト同ジ気温デス。」
カトマンズの平均気温は約18℃!確かに変わらないです。
全然知らなくてごめんなさい。。本当に先入観だけで話してしまって失礼してしまいました。
さて話が気温の方に逸れてしまいましたが。
実は夏バテというのは正式な病名ではありません。
しかし毎年夏になると「なんとなく食欲がない」「体がだるくて元気が出ない」「寝苦しくて眠りが浅くなって疲れがたまってしまう」といった体調の悪化を訴える人が急増します。
ではこの夏バテとはどのようなメカニズムで起こるのでしょう?
そりゃ暑いからだろう。
それはそうなのですが現代版の夏バテは色々と複雑な要因が絡んでいます。ただ単に暑いからだけで済まされないのです。
現代版夏バテには大きく分けて4つの要因が絡み合います。
今回は四天王的な感じでこの悩ましい夏バテの原因について掘り下げてみましょう。
ここでおさらい。「ものまね四天王」は清水アキラ・ビジーフォー(グッチ裕三・モト冬樹)・栗田貫一・コロッケですね。
小栗旬さんが主演して爆発的にヒットした映画の原作・クローズでは鈴蘭・鳳仙・武装戦線・黒焚連合という4つの勢力がせめぎ合っていました。それぞれのトップが坊屋春道・美藤竜也・九能龍信・ブル(古川修)だったんですね。このキャラたちも「四天王」と呼ばれていましたね。
そもそも四天王とはもとは古代インドの神様で日本では仏法を守護する持国天・増長天・広目天・多聞天の総称として知られています。これに擬えてある集団の中で特に優れた人物4人のことを総じて四天王と呼ぶようになったそうです。
はい。完全に余談です。しかも不調の原因を神様に擬えるのってどうなの?とリトルましもからのブーイングが聞こえてきましたが4つあるので仕方ありません。
ここまで書いて引くに引けないのでお付き合いください。
では気を取り直してにっくき夏バテの原因を四天王風にご紹介します!!
夏バテの原因①暑さ
外気温の高い夏は体表に血流が集まるため、特に胃腸や肝臓などの血液量が低下します。要は内臓の働きが低下していくのです。夏の食欲低下や倦怠感などはこのことから起こると考えられますね。
さっぱりしたものや冷たいものなど口当たりの良いものが欲しくなりますがしっかりよく噛むこと。酸味のあるもので唾液の分泌を良くすること。
さらに夏は睡眠の浅さも問題になります。暑さに伴う寝苦しさから睡眠が浅くなり結果として気血の充電が不十分になりますので空調や寝具類をうまく使いましょう。
また中医学的には「暑邪」は夏に一番旺盛となります。
暑邪は純粋な外邪であり内生の暑邪というものはありません。
暑は熱の邪で発散する性質があるため汗を多量にかいてしまいます。この時に汗と一緒に体液や気(エネルギー)も消耗してしまい気陰両虚という病証を引き起こします。身体が熱い・大汗をかく・のどが渇く・水を欲しがるという状態から悪化すると息切れ・脱力感.手足の痙攣などの熱中症の症状につながります。このような状態にはクーラーやアイシング・うちわなどで急いで身体の熱を取り去ること。また失った気や体液を補う処方などが必要となります。
夏に旬を迎えるニガウリやスイカなどは暑邪を緩和する作用があります。またナスやピーマン・パプリカなどは身体の余分な熱を取り去る作用もあります。
このように夏バテ予防には食卓に旬の食材をうまく取り入れることが大切です。
*写真は夏野菜の揚げ浸し。レシピは別のnoteに掲載します。
夏バテの原因②湿気
夏は単に気温が高いというだけでなく湿度も高く、しかも水分を多く摂ってしまいがちです。この気候と生活習慣により湿邪も発生しやすくなります。
手足の重だるさ・胸や腹部の異和感・吐き気・下痢など。湿気が体内に停滞することで起こる症状はしつこくて不快なものです。
暑い季節ですが、夜はお風呂はシャワーだけで済まさずに湯船にお湯をためて。ぬるめのお湯でじんわり汗を出すようにしてから休みましょう。
もちろん水分の摂り方にも注意。冷たいものをガブ飲みすることは極力控えて。ひと口ずつゆっくり唾液と混ぜながら飲み込むようにしましょう。
豆類やもやし・ハトムギ・トウモロコシなどは胃腸の働きを改善して湿気を排出します。積極的に取り入れましょうね。
夏バテの原因③冷え
空調環境が整っている現代において実は夏バテの本質は「冷え」にあるのかもしれません。
昔は夏といえば井戸水で冷やしたスイカを食べて暑さを凌ぎましたが、現代では冷蔵庫でキンキンに冷やしたものをクーラーをガンガンに効かせた部屋で飲む。便利にはなりましたがこのような生活スタイルによって夏冷えが起こる方も多くいらっしゃいます。
例えば冷蔵庫で冷やした飲み物は約2〜6℃です。これが体内に入って様々な代謝を経て尿になり排出されます。この時の尿は体温程度まで温まっています。冬場の屋外のトイレで用を足すことを想像してみてください。ホカホカ湯気が立ちますよね?ここまで身体の中で温められているのです。
冷たいものを飲みすぎると熱エネルギーを消費してしまうのです。
また夏に特に女性を悩ませるのが設定温度の低さです。男性と女性では基礎代謝量が違います。男性が約1500kcal に対して女性は約1200kcal。暑がりの男性に設定温度を合わせると冷え性の女性の体調が確実に悪化します。
冷えが引き起こす様々な症状は以下のとおりです。
夏はただでさえ基礎代謝量が一番低下する季節です。設定温度はしっかりと適正に合わせてもらいたいものですね。
夏バテの原因④温度差
外気温と室内温度の「気温差」が自律神経のバランスを乱すことも大きな不調の原因になります。この気温差が5℃以上になると体温調節をつかさどる自律神経にストレスがかかる状態となります。
具体的に見てみると。気温が高くなると自律神経系では交感神経が働き心拍上昇・血圧上昇させた上で発汗によって熱を放散させます。逆に気温が低くなると副交感神経が優位になり心拍緩徐・血圧低下させた上で汗腺も収縮して熱を守ろうとします。
1日に何回も気温が高いぞ!気温が低いぞ!と繰り返していたらもう考えただけで疲労困憊ですね。
この気温差によるストレス=自律神経系の乱れは倦怠感・頭痛・肩こり・イライラ・集中力低下・不安・不眠などの不快な症状を悪化させます。今の時代では温度差が出るのも仕方ないですが。先ほどの設定温度の調整や膝掛け・一枚多く羽織るなどの自分自身の温度調節もうまくしていきたいものですね。
いかがでしょうか?現代版の夏バテは1つの体の中で四天王が複雑に勢力を絡ませながら様々な不調を生んでいるという。まさにカオスな状態なのです。
単に夏バテ予防にスタミナをつけよう!クーラーの効いた部屋で1日中寝ていよう!としても改善しないパターンも多くみられます。ご紹介した四天王のうちどれが一番強く働きかけているのか?よく知っておくことで対処法も変わってきます。自分なりの対処法を見つけて夏を爽やかに過ごしましょうね!