昨夜の金曜ロードショー。地上波初となる映画キングダムを見ました!!
原作をずっと読んでいた自分としては初の実写版でめちゃくちゃ見たかったのですが。映画館にも行く機会もなくスルーしてしまっていた1本だったのでもう放送が決まってからずっと楽しみにしていました。
主演の信を演じる山﨑賢人さん。えい政を演じる吉沢亮さん。そして山の王である楊端和を演じる長澤まさみさん。映画館で見た友人たちからも聞いていましたが実際に見てみるとその壮大な世界観とアクション。そしてキャストのハマり具合に「うぉー!!すげー!」と震えまくり。もう寝なきゃ。続きは明日に。と何度も思いつつ見終わったのがもう夜中。本当に最高の1本でした。続編も決定して今からめちゃくちゃ楽しみすぎます!
さてこのキングダムの世界では主人公や主要な役どころの人以外はばったばたと人が死んでいきます。それはそうです。この中華統一までの春秋戦国時代は500年も戦いを続けていたそうなのですから。
そして主人公の信でさえも何度も命を落としそうになります。特に強敵で元将軍である左慈と命がけで戦い勝ったシーンは圧巻でした。そしてこの戦いで信の顔には大きな切り傷が。倒した直後は生々しい傷もしばらくすると出血は止まり傷は塞がり始めている様子が分かります。映画での描写ではありますがここで「この時代の人たちは交感神経が興奮しまくっているんだなぁ。」と妙に納得してしまいました。
ここでおさらいすると。人間の体をコントロールする自律神経は交感神経と副交感神経によって支配されており、外敵との闘争で優位になるのは交感神経です。血管は収縮して血圧も心拍も上昇。血液を隅々まで大量に届ける。気道は拡張して酸素を多く取り込む。傷ついてもすみやかに止血して顆粒級の働きが優位なので感染症予防もするという。人間の体ってすごい!!信のような若々しい身体と折れない心の持ち主だからこそ大きな傷もすぐに治すことができる。決して主人公であるからという大人な事情ではありません。うん。これこそが自然治癒力なのですね。
一説によるとこの時代の平均寿命は40歳程度。しかも幼児期に命を落とすことも計算すると平均24〜25歳程度にまで下がるそうです。本当に「生き抜く」だけで精一杯の時代だったんですね。
時は流れて現代。何千年と経った今でも人間の設計は変わっていません。
やはり現代の人間にも自然治癒力が備わっています。
しかし今。この日本の日常で刀で斬りつけ合ったりして実際に体を傷つけ合うことはありえません。平均寿命も80歳代にまで伸びたこの平和な時代ですが。刀を持った敵に変わって人間の命を脅かす存在になっているのがストレスや生活習慣の乱れです。この2つによって命を落とさないまでも体の不調が起こっている。病んでしまっている人はかなり多いのではないでしょうか?
切り傷や打撲など外部からのダメージで起こるものを「外傷」。
これに対してストレスやハラスメントなどで心についた傷。もしくは食べものや飲み物の不摂生などで起こる体調の不具合を中医学では「内傷」と呼びます。
この内傷をいかに減らしていくか?うまく治していくか?がこの平和な時代で天寿をまっとうする→いつまでも病まずに若々しく過ごせるようになる秘訣(コツ)になっていきます。
それではもう一度自然治癒力を紐解いてみましょう。
トップ画像に貼り付けてありますが、自然治癒力の働きは以下の3つに分けられます。
①恒常性を維持する機能。
ホメオスタシスといって人間の身体を健やかな状態に保とうとする働きです。人間の身体は寒い時は体温を上げる。暑い時は発汗して熱を放散する。などとバランスを取るように設計されています。簡単に言うと感覚器などによって周りの環境や自然環境の変化を察知してそれに対処するという働きです。温度ひとつとっても今はエアコンの普及などにより年中快適に過ごすことができます。しかしながら室内気温と外気温の差が5℃以上あるとそれ自体がストレスとなり自律神経に負担がかかるとも言われています。なるべく急激な温度差が出ないよう羽織るもので調節したりすることも大切です。
また今年は特に顕著ですが気圧や湿度などの天候変化が激しいです。低気圧の日には酸素量も低下しますのでどうしても頑張るモードに入ることはできません。仕事などの都合もあるとは思いますが天候に合わせて生活リズムも調整したいですね。
②傷を修復する再生機能。
先ほどのキングダムの描写でもあったとおり出血を止める。そして肉芽形成などで組織の修復をしていく働きです。その再生をするのに必要なのはなんと言っても血流。新鮮な酸素と細胞の原料となるタンパク質などの栄養が行き届かないと修復していきません。特に糖尿病の方などは傷の治りが悪いと言われています。基礎疾患がある方はもちろんですが食べ過ぎや飲み過ぎ。運動不足など生活習慣の乱れがある方も注意が必要です。
③細菌やウイルスなどの異物に対する自己防衛機能。
これはいわゆる免疫機能です。キングダムの時代には闘いでついた傷から化膿菌が入りこみ命を落とすことが多かったことはたやすく想像できるかと思います。白血球の中でも細菌などの外敵を処理する顆粒球が大活躍した時代とも言えます。
現代に至るまでに抗生物質や衛生環境の整備もされ、もちろん外傷をつけあうこともない平和な時代となりました。そこで今度はアレルギーやリウマチなど自己免疫疾患が多くなってきており、白血球の中ではリンパ球が活躍する時代となりました。昔は緑や黄色のドロっとした鼻水を垂らしていた子供たちが今は透明でさらさらの鼻水が出るようになりました。免疫反応が低下して命を落としていた時代から免疫反応が過剰に亢進して困った症状につながる時代に。このように環境の変化によるこの免疫機能の変化も見えてきます。
一言で自然治癒力というと簡単です。しかしこの3つの側面から考えてみると、神様が与えてくれた人間の機能が及ぼす働きは時代とともに変化していくのが分かります。この働き=自然治癒力がちょうど良く働くか?過剰に働きすぎるのか?健やかで快適に過ごすためにはこのあたりが大切になってきます。
せっかくの平和な時代となりました。しかし外傷で傷ついた時代から内傷によって心も体も傷つく時代になったとも言えます。この時代に大切な自然治癒力を維持していくにはどうすれば良いのか?早寝早起きをする。旬のものをちょうど良く食べる。大きなストレスはなるべく回避。適度に運動して気血水が滞らないように。このように「内傷」を防ぐことを心がけてください。月並ではありますが毎日の積み重ねが何よりも大切です。
*かえで薬局では「こころと身体の長引く不調」をお持ちの方に漢方相談を承っております。ご来店できない方にはSkypeでのご相談もお受けしております。まずはお気軽にお電話くださいませ。【相談専用窓口】0120−979−802