ましも先生の健康note

西洋医学と東洋医学の違いって?

このゴールデンウィークに新たなチャレンジ!YouTubeにて動画配信をスタートいたしました。パチパチパチー!!その名も「やすおとこうたんしゃべるだけアワー癒していいとも!」。。。もうお昼休みはウキウキウォッチングをパクった感じがにじみ出ていますね。とこんなネーミングでも初めて配信したときには母親から「これであなたも立派なYouTuberね!」とリアクション。まるで息子がヒカキンのようになったかのような。うーん。あとが怖い。

さてこのYouTube。「こうたん」こと山梨のさわたや薬房/早川弘太先生に誘われる形で始めたのですがこれが面白い!今はzoomで繋げて話すだけで録画もできるし動画編集もiMovieで簡単にできます。肝心な内容ももともと10年以上中医学や健康相談の勉強会で濃密なお付き合いをさせていただいているからか?こうたんとはただ単におしゃべりしているだけで楽しくなってしまっています。もう毎日撮影でも良いくらい。たぶん仕切りを担当してくれているこうたんに取っては甚だ迷惑な話でしょうね。いつもありがとう。こうたん。

さてこの第1回目の撮影の際にテーマをどうしようか?こうたんと2人で話し合ったのですが実際にうちの薬局でも多くいらっしゃるのが処方せん調剤でお越しになる患者さん。そしてほとんどが西洋医学的な治療で薬を飲まれています。一方で健康相談や漢方相談なども昔から受けており、その主軸となる東洋医学=中医学の考え方も役立っている方も多い。この状況はうちだけでなく多くの方々を取り巻いているのではないか!ということで「西洋医学と東洋医学の違い」について話してみよう!ということで決まったのです。

実際に撮影した30分。こうたんとの会話の中でいろいろな気づきも得ることができましたので今回のnoteは「西洋医学と東洋医学(中医学)の違い」についてもう少し深く掘り下げてみたいと思います!

まず西洋医学とは?ほとんどの先進国が主流としている医学で身体の悪い部分に直接アプローチする医学です。患部をミクロの世界まで細かく突き詰めていくのが特徴です。大学附属病院に行かれるとわかりますが脳神経・循環器・消化器。それぞれに外科と内科など。細かく分かれていることがこの考え方を裏付けています。

そしてこれは一番身近にある医学であり、初めて触れる医療は西洋医学という方がほとんどではないでしょうか?急な発熱があったり怪我をしたり。ここでしっかりと手当てして治癒するという経験は誰にでもあるものだと思います。さらにその根本にあるのは生物や科学など。小学校では理科の時間に教わる学問です。義務教育の中で一般教養のレベルで教わるので西洋医学に対しての信頼感というものが無意識のうちに得られているのではないでしょうか?

また西洋医学は急性疾患に強いという特徴があります。歯を抜いた後にはやっぱり痛み止めを飲んだ方が楽になるのが早いものです。

さてここで。抜歯などの一時的なものではなく慢性的な疼痛に関してはどうでしょう?痛み止めの長期にわたる連用は胃腸や肝臓をはじめとした内臓機能に少なからず負担をかけます。漫然と服用を続けるのはあまり身体にとっても得策ではありません。

こういった長引く不快な症状には中医学の考え方がよく合うような気がします。

特に気圧変化などの天候により悪化する気象病であったり、長引いたストレスなどによる自律神経失調症は少しずつ心と身体のバランスをとる中医学の方が合う方も多いのではないでしょうか?

なぜなら中医学には大きな特色として「整体観念」という考え方が根底にあるからです。これは「人体は多くの臓腑や器官で成り立っておりそれぞれ独自の働きがあるもののお互いに影響し合って生理活動を行っている」というものです。また人間も自然界の中に存在しているため「人間の健康と自然界の変化とは密接に関わっている」というのが基本的な考え方となります。
この理論の根底にあるのが中国の古代哲学である「陰陽」と「五行」なのです。

陰と陽はふたつの対立した事物を代表するものです。おおもとは単純に太陽の日の当たるところが「陽」で日の当たらないところを「陰」とします。この考え方がどんどん発展していって対立するすべての事物を陰と陽に分類するようになりました。陽の代表として火。陰の代表として水をイメージするとわかりやすいかもしれません。
陽は明るくてプラスで好ましい。陰は暗くてマイナスで避けたいもの。というイメージもありますが本来はそのような意味ではありません。
陽はてきぱきと動き回る。陰はゆっくり休む。といったようにどちらも大切なものです。陰陽ではどちらかに偏らない。このバランスをとても重要に考えます。

五行とは陰陽とは異なり関連するけれど対立するわけではない事物の関係を木・火・土・金・水の5種類の性質に分類する考え方です。トップ画像に示されているようにこの五行は各臓腑にも割り当てられています。
この五臓のうち「肝」を例にとりますと「木」の性質を持つ肝はのびのびとする事を好み、抑圧される事を嫌います。感情の中では「怒り」に影響を受けやすく色も「青」に当てはまります。ストレスがかかり青筋を立て怒りやすい方は肝の調子を崩している事が多く見受けられます。
また「目」や「筋肉」のトラブルも肝の失調が原因で起こっている事が多いです。
そして季節が五臓への影響を与えることも見逃せません。木の芽時の春は木の性質を持つ「春」に旺盛になりますが、旺盛になり過ぎてコントロールできず調子を崩す方が多くなります。ストレス性疾患が春に激増するのもこのことからとも言えます。
細かく突き詰める西洋医学に比べると中医学は人間の身体全体を自然界に倣って見るという真逆の方向からアプローチするものです。4000年もの歴史を経て積み重ねられた壮大なマニュアルを紐解くのが中医学の根本的な考え方と言えます。

と言っても中医学は「ちょっとうさんくさい」とか「スピリチュアルなイメージでよくわからない」「科学的ではなく信じがたい」などという意見も中にはある気がします。

これは先に挙げた西洋医学の基礎的な概念が小さい頃から理科や生物などの勉強で身についているから。逆に中医学の根本である陰陽・五行などの概念はほとんどの人は触れる事なく大人になるからだと思います。

このような背景から日本ではある程度までは西洋医学の治療に助けられる方がほとんどで、西洋医学の方で行き詰まりを感じたり物足りなさを感じてきた方が中医学の窓口を訪れるのだと思います。

西洋医学と中医学。どちらが良くてどちらが悪い。というものでは決してありません。それぞれの特徴をしっかり捉えておいてきちんと使い分ける。場合によっては両方とも併用するということが大切になります。大切な心と身体のためにどちらも良いトコどりしちゃっていいと思います。

ただ中医学の考え方の根本である「整体観念」は実は健康な生活の仕方に通じています。食事のとり方や水分のとり方。1日の過ごし方を中医学の考え方をもとにしてみるといつまでも健康で若々しくいることができるのです。そして意外とおじいちゃんおばあちゃんから教わってきたことも中医学の考えに通じていることも多いのです。核家族化が進んできた今こそ。昔からの知恵を大切に考えてほしいというのが中医学に携わる専門家の変わらない願いだと思います。

*かえで薬局では「こころと身体の長引く不調」をお持ちの方に漢方相談を承っております。ご来店できない方にはSkypeでのご相談もお受けしております。まずはお気軽にお電話くださいませ。【相談専用窓口】0120−979−802

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