ましも先生の健康note

ダイエットの大敵。今こそ睡眠負債を完済しよう!

コロナウイルスの蔓延による自宅でのテレワーク。子供たちの休校。夜間の外出自粛など。ほとんどの方が影響を受けているこの春。心配で不便な毎日を過ごしていることと思います。

自分の大好きだった志村けんさんをはじめ多数の方がこのウイルスに犠牲になっており余談を許さない状況ではありますが、毎日息を潜めていまだに見えない終焉を待っているだけでは疲弊してしまいます。

先日のTwitterにも書きましたが実はこの状況。プラス思考で考えてみるとたくさんのチャンスが転がっています。

その中でも一番大きいのが「生活リズムの再構築」です。

日本は世界一の「睡眠負債大国」であることをご存知ですか?

2017年にユーキャンの新語・流行語大賞にランクインした「睡眠負債」

毎日8時間の睡眠時間が必要な人が何らかの理由で6時間しか眠れなかった日があったとしても。1日だけでは睡眠負債とは呼びません。

その睡眠不足が毎日積み重なり数週間の単位で慢性化したものを睡眠負債と呼びます。今まで朝早くに出勤して夜遅くに帰宅。OECD(経済協力開発機構)の統計によれば日本人の睡眠時間は先進国の中で平均より1時間以上も短い「7時間22分」で最も短く、しかも年々短くなる傾向にあることが明らかになっています。

「週末にゆっくりと眠ればチャラになるんじゃない?」という声もよく聞かれますが。

実は寝だめで返済できないのがこの睡眠負債。

ある実験によると約40分の睡眠負債を返すためには3週間は必要とされています。この実験では平均睡眠時間7時間36分の8名を集めて行われ、初日には平均12時間睡眠。どの被験者も日を追うごとに睡眠時間が短くなり3週間ほどで8時間15分ほどに落ち着きました。そしてこの実験期間、被験者たちの気分や活力が劇的に向上して幸福感に満ちていたそうです。

さらに睡眠時間が短いと太っている傾向がある。という衝撃的な報告もされています。

富山県の児童およそ1万人を対象にした調査では毎日10時間以上睡眠をとっている子供に比べて8時間以下しか眠っていない子供は3倍近くも肥満の度合いが高くなっていたという結果も。

世界中の論文を集めてみると1時間睡眠時間が短くなると身長170cmの人で体重1kgも太りやすくなる傾向があるそうです。

こわっ!睡眠負債こわすぎる!!

なぜこのような事が起こるのか?食欲に関係するホルモンが大きく影響しています。

胃でつくられるグレリン(食欲増進ホルモン)→睡眠負債で増える→食欲が増進する。

脂肪細胞でつくられるレプチン(食欲低下ホルモン)→睡眠負債で減る→食欲が抑えられない。

睡眠不足になると食欲を増加するグレリンというホルモンの分泌量が増える一方で食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌量が減ってしまいます。

実際に寝不足のマウスは甘いものや油っぽいものを欲しがるという報告もされています。

遺伝子レベルから見ても人間は空腹に近い状態で眠ると肌老化の予防もできる上、体脂肪の増加も予防できると言われています。これは「サーチュイン遺伝子」という抗老化遺伝子が活性化されるからです。遅い時間に甘いものや油っぽいものを食べてしまうと眠っている時間以降も消化活動が行われるためこのサーチュイン遺伝子の働きも低下。新陳代謝も低下するため全身の細胞の老化が進行して肌や髪の毛などの見た目も老け込んでしまいます。

要はこの睡眠負債を返済していくことは身体の内面も外見も美しくあるために必要不可欠なことなのです!

テレワークの導入などで通勤時間なども少なくなっている今。大変不便な状況ではありますが実はかけがえのない「時間」が与えられている方が多いと思います。

この絶好の機会に忙しく過ごしていた日々を一度リセットして睡眠負債をしっかり返していってみましょう!!

【最高の睡眠を摂るための10カ条】

①朝日を15分程度浴びる。日光を浴びることで体内時計の補正がされ、夜のメラトニン分泌量が増えます。メラトニンは深い眠りに不可欠なホルモンです。

②適度な運動をする。今は1日家にこもることが多く慢性的な運動不足を起こしやすくなります。昼間に十分活動するとセロトニンが分泌。心地よい疲れが溜まっていきます。軽く身体を動かしておく事で血液の巡りも良くなり1日のリズムも整います。

③昼寝は15分〜20分程度に。1回の睡眠サイクルは約90分。その中のノンレム睡眠はステージ1からステージ3までに分けられます。30分以上の昼寝は一番深いステージ3に入ってしまい、逆に目覚めも悪く夜の睡眠リズムも崩れやすくなります。15〜20分程度の浅い睡眠でも十分な満足感を得る事ができます。

④夕食はできれば20時までに。就寝時はお腹を空っぽにしておくのが基本。3時間前には夕食も終えておきましょう。それ以降は特に消化の悪いもの=こってりしたものや油っぽいものは避けるようにしてください。

⑤お風呂は就寝2時間前までに。身体の深部体温の低下が入眠のカギとなります。寝る前に熱いお風呂に入ると深部体温が下がりにくくなって入眠しにくくなることも。寝る直前の場合はぬる目のお湯に浸かってください。

⑥1日のストレスは笑って消化。ストレスは人によって頑張る神経を過度に緊張させて夜ゆっくり休めるモードに切り替えることができなくなります。一番の解消法は大きな声で笑うこと。気の巡りも改善されてスッキリします。

⑦スマホは寝る前1時間はシャットアウト。スマホやパソコン、LED照明などに含まれるブルーライトは体内時計を昼に巻き戻す働きがあります。夜は早めにブルーライトをOFFにしましょう。

⑧失敗はクヨクヨ振り返らないで。夜の時間に過去の失敗を振り返っても解決にはつながりません。反省と改善をしたらあとは振り返らない。過去は変えられませんが今から先を変えていくことが大切です。

⑨心配事は夜ではなく朝にして。心配事のほとんどは起こらないと言われています。まだ起こっていないことを過度に心配する予期不安。これは中医学では血の不足から起こると考えられています。血を補うために一番必要なのが睡眠。心配事は翌日の朝に持ち越しましょう。起きたら解決していますよ。

⑩夜は22時に消灯目標。体内の新陳代謝を活性化する成長ホルモンは22時〜2時までに分泌量が最大になりこの時間帯がゴールデンタイム。入眠後30分から成長ホルモン分泌のピークに入ります。消灯目標の22時に間に合わなくてもせめて日付の変わる前には眠りにつきたいですね。

以上の10カ条。いつもの忙しい毎日では余裕はなかったかもしれませんが、今なら取り組めるチャンスです!この機会にぜひ取り入れてみてください!

今こそ睡眠負債を完済しましょう!!

*かえで薬局では「こころと身体の長引く不調」をお持ちの方に漢方相談を承っております。ご来店できない方にはSkypeでのご相談もお受けしております。まずはお気軽にお電話くださいませ。【相談専用窓口】0120−979−802

健康相談に申し込む

記事一覧へ

トップへ戻る