ましも先生の健康note

知っておきたいコロナウイルスと免疫のこと。

日に日に感染者が増えていく新型コロナウイルス。どのニュースを見ても感染拡大の情報とマスクやガーゼなどの衛生材料。そして消毒用エタノールの市場からの枯渇。さらにティッシュやトイレットペーパーなど紙製品も枯渇するというデマ。不安を煽られる情報は溢れており日本中がパニックに陥っている状態です。

実際感染されてお亡くなりになっている方もいらっしゃり本当に不安と心配が尽きませんが実はインフルエンザやその他の感染症がきっかけで亡くなっている方も今まで多くいらっしゃったのに。なぜこのような状態になっているのか?

それは新型コロナウイルスがいまだ解明されていないものであるから。潜伏期間や治療方法などを含めて不確定な要素が多すぎるから。これに尽きると思います。

そもそもコロナウイルスとはどんなウイルスなんでしょうか?

コロナウイルスは見た目が王冠(ラテン語でコロナ)に似ていることから名付けられました。実は今までも身近に潜んでいて普通の「風邪」の10〜15%を占めるウイルスなのです。このコロナウイルスが「恐怖のウイルス」としてその名を轟かせるようになったのが「SARS」「MERS」です。

*SARS(重症急性呼吸器症候群)2002年11月〜2003年7月かけて中国広東省を起点にヒトからヒトへ感染拡大。8096人が感染し37か国で774人が亡くなりました。この病原体であるSARSウイルスもコロナウイルスで感染経路は飛沫感染や接触感染と考えられています。

*MERS(中東呼吸器症候群)サウジアラビアで出現し、2015年に韓国で大流行。ヒトコブラクダが宿主。ラクダの未加熱肉や未殺菌乳の摂取が感染リスクに。2019年11月までに確定患者は2494人。死者858人にものぼったこのMERSウイルスもコロナウイルスです。

この2つの感染症が出現する以前はコロナウイルスに感染しても重症化することは少なく公衆衛生上の大きな問題とされませんでしたが、抗菌薬やワクチンの開発などで感染症が激減していた時代に衝撃を与えました。

そして人口の過密化高速大量輸送が進んだ現在では一度ウイルスなどの病原体が都市部に侵入すると感染伝播を繰り返し、それが拡散して世界規模の流行(パンデミック)の危険性が高まることが懸念されています。

ここで今回の新型コロナウイルスについて明らかになった情報をまとめてみます。

①感染経路は飛沫感染と接触感染です。

*飛沫感染→感染者の飛沫(くしゃみ・咳・つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他社がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。

*接触感染→感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、自らの手で周りのものに触れると感染者のウイルスが付着。その部分に触れた非感染者が手で目や鼻、口を触ることで感染する。(電車のつり革・ドアノブ・エスカレーターの手すり・スイッチなど。)

*空気感染は起きていないと考えられていますが、閉鎖空間において近距離で多くの人と接触すると感染拡大のリスクが高まります。

②マスクは感染予防の手段として有効ではありません。感染した人が人にうつさないようにする感染拡大の予防に有効とされています。

*医療用のN95規格マスク=0.3μmの粒子を95%以上カットする高機能マスクでも直径0.1μmのコロナウイルスの侵入を完全に防ぐことは難しいとされています。

③アルコール消毒(70%)などで感染力を失います。また石鹸でのこまめな手洗いでも感染拡大のリスクは低下します。

2003年SARSにおけるデータでは毎日10回以上の手洗いで55%低下したそうです。

④潜伏期間は現時点で平均5〜6日です。

しかし1〜12.5日と幅が大きく、未感染者については14日間にわたり健康状態を観察することが推奨されています。

⑤臨床症状としては【発熱】43.8%〜98.6%【倦怠感】69.9%【咳嗽】59.4%〜67.8%となっています。

以下の場合には最寄りの保健所等にある「帰国者・接触者相談センター」に電話で相談するよう厚生労働省の情報が出ています。

⑴風邪の症状や37.5℃以上の熱が4日以上続く

⑵強いだるさや息苦しさがある

*重症化しやすい高齢者や基礎疾患のある方、また念のため妊婦さんはこうした状態が2日程度続いたら相談しましょう。

この新型コロナウイルスの感染者をこれ以上増やさないために私たちに出来ること。

「日常生活の中での気をつけたい心がけ」を厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」の情報をもとにまとめます。

*「手洗い、うがい」をこまめにする。そして自分の手で顔や目・鼻・口などを触らないことが大切です。

*軽い風邪症状(のどの痛み・咳・発熱だけなど)でも出たら外出を控えましょう。

*規模の大小に関わらず、風通しの悪い空間で人と人が至近距離になる場所やイベントにできるだけ行かないように。

*特に重症化せずに症状が軽くすむことの多い若い人は気づかないうちに感染を拡げる危険性があるので注意してください。

*症状のない方が散歩・ジョギング・買い物・美術鑑賞など。また手を伸ばして相手に届かない程度の距離での会話などは感染リスクが低いと考えられています。

さてここでもう一つ知っておきたいのが私たちの身体に備わっている免疫についてです。

免疫とは一度出会ったウイルスなどの外敵の顔を覚えて退治する機能です。インフルエンザワクチンなどはこの働きを利用した予防方法で、その年に流行りそうなウイルスの顔をあらかじめ免疫に覚えさせ、その敵にあった武器(抗体)を作っておくことで感染に備えています。インフルエンザウイルスが蔓延しても免疫が働いてたくさんの武器(抗体)で退治してくれるというわけです。

今回の新型コロナウイルスの怖さは「出会ったことのない敵」だというところです。

いきなりこのような相手が体内に侵入した場合には武器(抗体)の備えもなく、用意するにも時間がかかります。

そこで重要になってくるのが基礎体力・自然治癒力。つまり「普段から風邪などをひきづらい。ひいても長引かせない。」そういう力なのです。

これは感染した方の中で重症化していくのが高齢の方や基礎疾患があったりする「体力の低下した方」であることからも分かると思います。

最後に今回の新型コロナウイルスに負けないために大切なことを挙げておきます。

①食事はしっかりとバランス良く。

免疫細胞を作り出すために充分な栄養が必要です。食事のバランスは糖質:タンパク質:緑黄色野菜/根菜/海藻類を1:1:3(ご飯を軽く1膳。肉や魚料理を小皿に1皿。火を通した野菜類を3皿)が理想的です。毎食は難しくても1週間のトータルバランスで見ましょう。

②運動や笑いでストレス解消。

運動したり笑うことにより免疫細胞であるNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化します。自宅にこもって鬱々としていると気血の巡りも悪くなり逆に免疫力が低下します。時々体を動かすこと。暗いニュースばかりでなくお笑い番組や落語などで思いっきり笑うことが大切です。(吉本新喜劇や落語を見て免疫細胞が活性化したデータも確認されています。)

③質の良い睡眠をしっかりとる。

しっかりと睡眠をとることで副交感神経の機能を高め、免疫細胞の活性を上昇させます。寝る直前までテレビやスマホなどで目を酷使していたりブルーライトを浴びたりすると眠りの質が悪くなります。また夜更かしをして朝寝坊すると新陳代謝が低下し免疫力も低下します。注意してください。

④腸を温める。腸内環境を整えておく。

小腸の壁の中にはパイエル板をはじめ免疫細胞が集中しており、体全体の免疫細胞の約7割が集まっていると言われています。腸内環境を整えておくこと。そのために発酵食品など善玉菌の種と腸の血流を良くして温めておくことがすごく大切になります。ヨーグルトを召し上がる方も多くいらっしゃいますが腸を冷やす性質もあるので摂り過ぎないように注意。温かいお味噌汁をしっかり摂ることが腸が長い日本人にはピッタリの食材とも言えます。

以上新型コロナウイルスに関して。また免疫についてまとめてみました。

テレビやネットの中でも色々な情報が錯綜していますが、玉石混交で偏りのあるものも多く見られます。今こそ取捨選択して正しい情報を得ておくこと。それをもとに冷静に対処していくことが大切になると思います。今こそ日本人みんなが一丸となってこの状況を乗り切っていきましょうね。

健康相談に申し込む

記事一覧へ

トップへ戻る