ましも先生の健康note

いびきを根本から改善する方法

「あなたっていびきがひどいわね。」旅先で同室のお友達に言われる一言に愕然とすることって多いですよね。自分ではわからないいびきですが、最近は睡眠アプリなどで自分のいびきを聞いてびっくりされる方もいらっしゃると思います。

さてこのいびきのメカニズムって一体どんなものなのでしょう?

睡眠時。すやすやと静かに眠っている通常の状態では鼻や口から入ってきた空気は起きている時と同じように抵抗なく肺へと入っていきます。

一方で上気道(のどのあたりの気道)が狭くなる空気の流れに抵抗が生じてその振動によってうるさい音が出ます。これがいびきの正体です。これがさらに悪化していくと気道を完全に塞いでしまうと無呼吸の状態を生み出します。今急増している睡眠時無呼吸症症候群はこのメカニズムで起こっています。

なぜこの上気道が狭くなるのか?この原因を知ることで長年お悩みのいびきや無呼吸の改善につながるはずです。

まず仰向けに寝た場合にその重力によって舌根(舌の根元)軟口蓋(口と鼻を仕切る壁の柔らかい部分)が落ち下がる。さらに睡眠状態で筋肉がゆるむのでよけいに落ち下がりやすくなることが考えられます。これは眠っている時には誰にでも起こりうる事です。

この舌根や軟口蓋が下がる事がでうるさいいびきや無呼吸になるのは何故なのか?その原因を以下に挙げます。

①鼻が弱く粘膜が腫れやすい

漢字では鼻を干す(鼾)とも書き鼻との関連も深いことがわかります。

この鼻粘膜の腫れはほとんどがむくみから来ています。食べ過ぎ飲み過ぎで胃腸が弱っていたり、甘いものの食べ過ぎ。冷え症で汗をかきにくい人など。

余分な水分が身体に溜まりやすい=水毒によって引き起こされると考えられます。舌に白い苔がびっしりついている人が多いです。

②太りやすく粘膜が肥大している

夜遅くの飲食慢性的な糖質・脂肪の摂り過ぎ運動不足などで舌根や軟口蓋周辺に脂肪がつくことで肥大します。この状態は中医学では痰濁と呼び、気道の狭窄だけでなく色々な生活習慣病の原因と考えられています。

実際に睡眠時無呼吸症候群を起こしている人は

糖尿病は1.5倍、高血圧は2倍、心疾患は3倍、脳卒中は4倍

とそれぞれの疾患のリスクが高くなるという報告もあります。さらに一説によると年間50000人の交通事故数の原因には睡眠時無呼吸症候群が潜んでいるとも言われており日中の眠気や集中力の低下にも影響するようです。
ちなみに口を開けてみて口蓋垂(のどちんこ)が見えなくなる人は睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。すぐに改善策を取りましょう。

③よく噛まないことによる下あごの弱さ

上記の①②は二重あごであったり首が太かったり外見からも気道がせまくなるのがわかりやすいですが、その逆で首が細く下あごが小さい人もいびきをかきやすくなります。下あごを支える咀嚼筋が弱く眠っているときに口がカパっと開いてしまい下あごが落ちます。それにより気道の圧迫が起こるというわけです。

最近は柔らかいものや味付けの濃いものを食べることが多くなったり、ゆっくりと食事をする時間を取れずに噛む回数が少ない方が多いようです。

戦前の食事時間は約22分。噛む回数は1420回だったのに対し。

現在の食事時間は約11分。噛む回数は620回と半分以下に激減しています。

噛む回数の減少はいびきや無呼吸以外にもアレルギー性疾患の素因にもなります。これは戦後のアレルギー性疾患の増え方に裏付けられているとも言えますが未消化のたんぱく質が腸管免疫を乱すリーキーガット(漏れる腸)症候群と深く関わっているようです。

さらに女性に特に注目していただきたいのが噛むことの効用です。

噛む回数をしっかり増やすと唾液の分泌も良くなり消化を良くする。便秘の改善。むくみの予防。おまけに小顔効果と美容と健康に良いことが盛り沢山なのです。

いびきは他人に迷惑をかけるだけでなく自分の身体が出している注意信号です。そして無呼吸のある人は危険信号になっているとも言えます。これを改善することは普段からの呼吸も深くなり身体全体への酸素の供給も充分に行われるので本当に楽になります。それぞれの原因を突き止めてしっかりと対処していきましょうね。

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