ましも先生の健康note

人は血管と共に若返る。

「え〜!〇〇歳なんですか??めちゃくちゃ若く見えますね!」先週飲んでいた席である女性の年齢をお聞きしてびっくりした時の会話です。

この方は自分が目標としている漢方薬局の先生のところで相談されており漢方でしっかり体質を整えて養生も心がけておられる方。いや〜さすがだわ!と感動してしまいました。

さてここで質問です。少し前から話題にのぼっている美魔女さんたち。「美魔女と呼ばれている方々」っていったいどこがどう違うのでしょう?

高級なエステ?高いこだわりの化粧水?それともコラーゲンなどのサプリメント?はい。それも正解です。でもそれだけではない気がします。

本当の理由は「毛細血管の若々しさ」にあるのではないでしょうか。

昨日の研修会で今メディアでも話題の「ゴースト血管」の名付け親である大阪大学の高倉教授のご講演を拝聴しました。その中で毛細血管と肌の老化について興味深いデータが出てきました。

それは6歳の子供と75歳の老人の毛細血管の構造の違いです。明らかに違います。6歳の子供の毛細血管は規則正しく等間隔に並んでいるのに対して、75歳の方のものは捻れたり変形しているものから歯抜けのように抜け落ちて見えるようなショッキングな結果でした。

なんでこんなに違いが出るのでしょう。

これは身体の末梢=毛細血管に血液が巡らなくなることで起こる血管のゴースト化によるものと言われています。

人が住まなくなった街をゴーストタウンと言います。

これに対して血液が巡らなくなった血管をゴースト血管と名付けたというわけです。

今回のトップ画像は人間の動脈と静脈を表した絵です。これには毛細血管は含まれていません。毛細血管まで入れるともう真っ赤。真っ赤に塗りつぶされた人間の絵になります。それもそのはずで人間の血管のうち95〜99%が毛細血管です。そしてすべてつなげると10万kmとも言われています(諸説あります)。そしてこの毛細血管の細さは5〜10μmで髪の毛の10〜20倍細いものです。

そこに酸素と栄養の運搬係である8μmの大きさの赤血球がぐいぐいと入っていきます。そして浸透圧で細胞が必要とする酸素と栄養を滲み出させます。めちゃくちゃ細いゴムホースにぎゅうぎゅうに入り込んでじわじわと栄養と酸素を滲み出させるイメージです。

肌を始めとした身体の隅々まで酸素と栄養を届けるとても重要な毛細血管。これが困ったことにとてもデリケートな作り。実は血液の流れが悪くなると脆くなり栄養や酸素が漏れやすくなる性質があるのです。末梢まで栄養や酸素が行き届かなくなるために肌や筋肉そして血管自身も老いていくということです。

また一方で中医学的な視点から見ると五臓のうち「脾」は肌肉を司ります。脾が食物を消化吸収して気血を作り上げることでハリのある肌肉を保つのです。

さらに脾は「統血作用」と言って血が漏れ出るのを防ぐ働きも持っています。時々ぶつけた記憶もないのに青あざができる事があります。これは脾が弱っているサイン。脾の統血作用を保つことは毛細血管を守ることに繋がります。

西洋医学的な視点と中医学的な視点を合わせてみると若々しい美しさを保つためには毛細血管に滞りなく血液を巡らせる。そして脾の働きを落とさないようにする事が重要になるというわけです。

これらを踏まえていつまでも若々しくいるための秘訣を以下にまとめます。

紫外線や活性酸素による酸化を防ぐ。ビタミンC・Eやβカロチンなど抗酸化物質の摂取が有効。

ストレスは交感神経を過剰に働かせて血管が収縮。前回のnoteに書いたものでゆるゆると対処。

しっかりよく噛むこと。唾液も分泌されて脾の働きが良くなります。また末梢循環改善作用も認められています。おまけにストレスにも強くなる!ひと口30回が目標です。

過度なダイエットは気血の原料が不足します。良い肌肉は食事から。ただし糖質や脂質の摂り過ぎに注意して。

睡眠不足は血の充電不足。早寝すればするほど美しくなります。22時〜2時がアンチエイジングホルモンの確変タイム。

いつまでも若々しい自分でありたいと思うのは人間にとって永遠の願望です。

人は血管とともに老いる。

人は血管とともに若返る。

どちらになるかは毎日の積み重ねで変わります。ぜひ意識してみてくださいね。

健康相談に申し込む

記事一覧へ

トップへ戻る